第78話マイプリンス

「ジョンソン氏の件です!」

ジェイスは、しゃがれた不穏な声を耳にした。どうやらジェームズの機嫌が最悪のタイミングに割り込んでしまったらしい。

額の存在しない汗をぬぐうふりをし、腹をくくった。

ジェームズの顔から熱が引き、関心が瞬時に消えた。彼はベッドを出ると書斎へ向かい、通話に出た。

欲求不満で苛立つビアンカは、ジェームズが何の未練もなく出ていく背中を見送り、奥歯がきしむほど怒りを噛み殺した。

エミリーという名が聞こえたのだ。

エミリーへの憎しみは、いまや頂点に達していた。

あの忌々しい女め。こんなことになると分かっていたなら、戻ってきた時点でさっさと始末する手を打っていたのに。...

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